現代におけるミュージシャン/アーティストの在り方として、一種の理想の形ではないか。近年のSIRUPの活動をみていると常々そう思わされる。“チャンネル”の合う仲間や音楽家たちとクリエイティブな作品を創ることに注力しながらも、社会や世間の問題へのスタンス、立ち位置も明確に表明する。今の日本において、それがどれだけ有意義なことか。そして、その姿に鼓舞される人もきっと多いはずだ。
3月にリリースされた2ndアルバム『cure』では海外アーティストとのコラボも目立つが、そのどれもが必然性を感じさせるもの、もしくは以前から繋がりがあったアーティストとの再びの邂逅となっており、もちろんその他にも国内の盟友プロデューサー/アーティストたちとの楽曲も多数収録。先鋭的、最先端という言葉がどんどん求心力を失いつつある昨今、今のムードをしっかりと掬い上げつつも、自身のルーツに素直に、かつオリジナリティを色濃く表現した稀有な作品だと言えるだろう。
アルバムの制作背景などは音楽ナタリーやFNMNLの素晴らしいインタビューを参考にしてほしい。リリース後のインタビューとなった本稿では、同作を発表してから以降の、SIRUPの現在地について探ることに。
また同時に、コロナ禍の収束もまだ見えないなか、社会では多種多様な問題が表面化/可視化され、それぞれに対するアクションについても日々積極的に議論されている。そんな世界をSIRUPがどのような視点で見つめているのか、様々な質問をぶつけてみた。
――アルバムのリリースに際して公開されたインタビューではこれまで以上にご自身のパーソナルな部分を語られていて、少し驚きました。
SIRUP:別に敢えて隠してたとか、そういう意識はないんです。これまであまり聞かれなかっただけというか。ただ、今の世の中がなぜこうなっているのか、っていうことを考えたときに、自分の地元って結構参考になるんだなっていうことに気づいたというのは大きいかもしれません。いわゆる貧困層が多いエリアだったし、もちろん孤児院もあった。そういう要素って、当たり前ですけど自分のことを説明するときには避けてはならないものだし。
――そこは切り離せないですもんね。
SIRUP:そう。地元のことを曲中で詳細に描いたりはしていませんが、マイノリティの当事者である立場からの発信もしないといけないなって思ってきたし、アルバムとか作品の内容にもどんどん食い込んできた。だからこそ、インタビューでもそこは語らないといけないなって。
――アルバムのリリースに際して公開されたインタビューではこれまで以上にご自身のパーソナルな部分を語られていて、少し驚きました。
SIRUP:別に敢えて隠してたとか、そういう意識はないんです。これまであまり聞かれなかっただけというか。ただ、今の世の中がなぜこうなっているのか、っていうことを考えたときに、自分の地元って結構参考になるんだなっていうことに気づいたというのは大きいかもしれません。いわゆる貧困層が多いエリアだったし、もちろん孤児院もあった。そういう要素って、当たり前ですけど自分のことを説明するときには避けてはならないものだし。
――そこは切り離せないですもんね。
SIRUP:そう。地元のことを曲中で詳細に描いたりはしていませんが、マイノリティの当事者である立場からの発信もしないといけないなって思ってきたし、アルバムとか作品の内容にもどんどん食い込んできた。だからこそ、インタビューでもそこは語らないといけないなって。
CREDIT. STAND STAND
WRITING. STAND STAND
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